第597章 神様、人間の言葉で話してくれませんか?

寧夕は心を落ち着かせてから、中へ歩み入った。

おそらく足音が聞こえたからだろう、経典を持っていた席世卿の手が一瞬止まり、そしてゆっくりと顔を上げた。

来訪者を見て、席世卿の目は古井戸のように静かで、一切の波風も立てなかった。

「寧さま……」

この三文字を聞いて、寧夕は思わず血を吐きそうになった。ニマ、「だんな」まで出てきたぞ、本当に出家する気なのか!

寧夕は眉間を摘んで、思い切って席世卿の向かい側に胡座をかいて座り、長いため息をついてから言った。「ねぇ……お兄さん、なんで突然出家なんてするの?どういうつもり?」

席世卿:「これは私が熟考した末の決断です。もし寧さまが私を説得しに来たのでしたら、もうお帰りになられても結構です。」

「私のせい?」寧夕は単刀直入に尋ねた。