第596話 すっかり別人になった

席おじいさまは「そんなでたらめな趣味があるものか」と怒鳴りつけようとしたが、孫の今の状況を考えると、黙るしかなかった。

彼は仏教を信じているが、それは自分の孫が僧侶になることを受け入れられるということではない……

寧夕は席パパと席ママ、そして席おじいさまの会話から、席世卿がなぜこんなに良い人なのかを理解した。

この長老たちは皆とても温和で思いやりのある人たちで、来るなり彼女を慰め、今に至るまで疑いや非難の言葉は一切なく、すべて自分たちに原因を求めていた。

だからこそ、寧夕はより一層申し訳なく感じた。

苦労して育てた息子が、自分のせいで出家して僧侶になってしまうなんて、本当に罪作りだ!

彼女は最初少し確信が持てなかったが、彼らの先ほどの会話を聞いて、他の原因を探しても見つからないのなら、昨夜のあの出来事が原因に違いない。あの時の席世卿の様子は……確かにおかしかった……