ほっけじ。
陸霆驍は坊ちゃんと車の中で待っていた。寧夕は急いで車を降り、おじいちゃんたちを探しに行った。
早朝から線香をあげに来た混雑した人々を避けながら、寧夕は本堂の後ろの中庭へと真っすぐ向かった。いくつかの廊下を通り抜けると、中庭で見覚えのある姿を見つけた。そこには席博義と中年の男女がいて、おそらく席世卿の両親だった。
「おじいちゃん……」
「小夕ちゃん、来たのか!早く来なさい!」寧致遠は孫娘を見つけると、急いで立ち上がって彼女を引き寄せた。
「席おじいさま、おじさま、おばさま……」寧夕は一人一人に挨拶をしながら、不安な気持ちを抱えていた。
席家の三人も寧夕を見ると興奮した様子で近寄ってきた。席ママは救世主を見つけたかのように彼女の手を取り、「あなたが小夕ちゃんね?本当に良い子だわ。私たちの卿卿が帰ってきてからずっとあなたの素晴らしさを褒めていたのも納得よ!」