第651章 唖然とする場面

明らかに陸霆驍は交渉心理学を熟知しており、まず相手が絶対に受け入れられない要求を出し、次に自分が本当に望むものを提示すれば、それは容易くなる。

その時、ナカ大臣は少し困ったような表情を浮かべた。「戦車5台に戦闘機2機、そして完全武装した正規軍300人、この戦力があればフィラデルフィアを制圧できるほどです。陸さん、よろしいでしょうか?」

「結構です」と陸霆驍は答えた。

ナカ大臣の憂いに満ちた表情を見て、陸霆驍は言った。「ナカ大臣も心配なさらないでください。もし何か損害が発生した場合は、私が補償を負担します。そして、先ほど申し上げた通り、できる限り平和的な方法で解決するつもりです」

「陸さんがそう約束してくださるなら、安心です。では、どうぞ」ナカ大臣は部下に扉を開けるよう指示し、陸霆驍とともにヘリコプターに乗り込み、最寄りの軍事要塞へと向かった。