「当たり前でしょう!私、女装の方が可愛いもん!そうそう、二先輩、どこをうろついていたの?大先輩が半年以上も姿を見てないって言ってたわ!それに私とも連絡取ってなかったじゃない!」寧夕は恨めしげな口調で言った。
唐浪は眉を上げて彼女を見つめ、「お互い様だね〜」
二人はしばらく昔話に花を咲かせていたが、そこで横にいた唐夜が口を開いた。「唐浪」
唐夜は男の名前を呼び、表情を変えることなく、瞳に探るような光を宿していた。
「あはは!先輩、久しぶり〜私のこと恋しかった?」唐浪は骨抜けのように寄り添い、体全体を彼の肩にもたれかかった。
唐夜は無表情のまま片手で彼を払いのけ、「師匠がずっとお前を探している」
唐浪は諦めずにまた寄り添って、「師匠だけ?先輩はどうなの?」
傍らで、寧夕は両手で目を覆い、「もうもう...見てられない!ここには子供もいるのよ!祖国の花の蕾が台無しになっちゃう!」
唐浪は彼女の額を軽く弾いて、「お前が花?ボスフラワーか?」
寧夕は「...うるさい!私は純白の花よ!」今の彼女はこんなに惨めな状態なのだから、可哀想な純白の花に違いない!
ところが、唐浪はまるで何か大笑い話でも聞いたかのように、その場で腹を抱えて爆笑し始めた。「お前が...純白の花...?はははははは...」
寧夕の顔が曇った。「なんで!私が純白の花じゃダメなの?そこまで笑うことある?」
「はははははは...」唐浪は腹を抱えて、笑いすぎて言葉も出ない。
次の瞬間、寧夕には唐浪がどう動いたのか全く見えなかった。目の前がちらりと光り、さっきまで大笑いしていた唐浪が、一瞬で唐夜の首筋に腕を振り上げ、注射器を突き刺して透明な液体を素早く注入した...
唐夜は反応する間もなく、気を失ってしまった。
「うわっ!二先輩!なん...なんで?どうして大先輩に注射したの?」寧夕は完全に呆然としていた。
「お馬鹿さん!もちろんお前を救うためだよ!」唐浪はそう言いながら、崩れ落ちる唐夜の体を受け止め、慎重に路肩に寝かせた。
寧夕はまだ呆然としたまま、「救う...私を?」
「説明している時間はない、早く来て!」
唐浪は急かしながら素早く寧夕を車に乗せ、自身は運転席に座った。