第666章 命の恩人に身を捧げる~

電話の向こうは少なくとも十秒間の沈黙が続いた。

最後に寧夕が待ちきれなくなって、「もしもし...もしもし?江牧野!江金毛!まだいる?くそっ!なんて最悪な電波だ!大事な時に限って繋がらないなんて!もしもし?」

寧夕が焦って電話を切って掛け直そうとした時、電話の向こうから江牧野の息も絶え絶えの声が聞こえてきた。「俺...いる...」

「あっ!まだいたんだ!早く早く!教えて!」寧夕が急かした。

「俺が...くそっ...教えるかよ!俺だって男に告白したことないのに、どうやって男に告白するか知るわけないだろ!」江牧野が怒り狂って言った。

「誰が告白したことないって言ったの?私が学生の時、あなたが下級生の可愛い男子に告白して、その子が承諾したって聞いたわよ!」寧夕が反論した。

「寧小夕!てめえ!あれは冗談だったんだよ!」