四文字で、薛夕は少し戸惑った。
雑貨屋に来たとき、彼がこんな格好をしているのを見て、向淮はもしかしたら去るのかもしれないと彼女は分かっていた。彼が財神グループの創設者だと知ったその日から、彼女はなんとなくそんな予感がしていた。
向淮はここには属していない。
彼はこの雑貨屋に属していない。
彼は小さな雑貨屋で束縛できるような人ではない。でも最近は學習に忙しくて、彼女はだんだんとその事を心の奥に押し込めていた。
今、向淮がついに言い出した。
薛夕は何故か、さっき手を繋いで和らいだ胸の痛みが、また誰かに掴まれたような痛みを感じ始めた。
彼女は困惑して俯き、胸を押さえ、少し反応が遅れながら尋ねた。「どこに行くの?」
向淮は笑った。「京都だ」