第338章 どうしてもめがみと話をしなければ!

梁甘はずっと、トールがここに来た本当の目的を推測していた。

  スカンフォードの化学部長として、誰に会いたいと思っても一言で済むはずなのに。

  それに、学生たちが試験を受けている間、梁甘はトールに近づいて話しかけようとしたが、トールは「話しかけないで、子供たちの試験の邪魔になる」という表情を見せるだけだった……

  4時間半。

  学部長ってそんなに暇なのか?

  この時間があるなら、もっと研究に励んだ方がいいんじゃないか?

  ようやく学生たちの試験が終わり、みんなが順々に外に出てきた。梁甘はトールを支えながら出口に立ち、誰を待っているのかわからなかった。

  しかし、トールはあまりにも有名で、西洋の顔立ちをした数人の学生が彼を認識し、話しかける勇気はなくても挨拶だけはした。