薛夕はコンピューターを開き、システムに入った。
彼女にはアカウントもパスワードもなかったので、景飛のものを盗用するしかなかった。しかし、景飛のアカウントとパスワードを盗用するには、本人の許可が必要だった。
薛夕のコンピューター画面は真っ黒で、その上にコードの列が流れていた。すぐに、彼女は小さなソフトウェアを作成し、WeChat経由で景飛に送信した。
薛夕:【いいねを押してくれる?】
小飛鳩ちゃん:【もちろん!】
このウェブページは仮想的に偽造されたもので、いいねボタンを押した瞬間、薛夕のログインを許可することになる。
景飛は全く気づかず、彼女に対していつも熱心で丁寧だったので、少しも疑わずに押した。
薛夕は彼のアカウントとパスワードでシステムにログインした後、景飛のアカウント情報を隠した。後で発覚した時に、景飛に影響が及ばないようにするためだ。