第458章 一瞬で子犬に変身

「先輩の席じゃないですか?」

その考えが浮かんだ瞬間、先輩の声が聞こえた。「于達、防いだわね!」

于達:「…………」

彼は固く首を動かし、後ろに立っている先輩を見た。他のメンバーも集まってきて、「于達、すごいじゃない!素晴らしい!」

「マジやばい!」

「こんなトップレベルのハッカーを防げるなんて、信じられない!」

「……」

様々な称賛の声が聞こえ、于達は一瞬ぼんやりしたが、彼の視線は最後列の先輩の席に落ちた。

そこには赤髪の少女が座っており、霞がかかったような瞳で彼を見つめていた。

少女の清冷で美しい顔には、波一つない平静さがあった。

彼女だ。

Xは彼女だ!

この考えに、于達は急に立ち上がり、みんなに告げようとした。これは自分の功績ではなく、薛夕のものだと。しかし少女が突然指を唇に当て、静かにするよう合図をした。