第457章 アイドルは身近にいた!

先輩は少し戸惑って、思わず口を開いた。「あなた一年生じゃないの?」

薛夕は頷いた。

先輩はまだ信じられない様子で「いや、一年生のあなたが、どうやって最適化したの?そんな知識まだ習ってないでしょう?それに……」

薛夕は冷淡に言った。「どいて。」

先輩は「…………」

彼女が何か言おうとした時、入り口から声が聞こえた。「于達が戻ってきた!」

「于達が戻ってきたの?」

コンピュータ室全体が瞬時に歓声に包まれた。

先輩も思わず顔を上げ、入り口の方を見た。薛夕も一緒に見ると、于達が入ってきた。彼は顔が腫れ上がり、口の端には青あざがあった。

入室するなり、まずカバンを脇に投げ、それから唇を拭いながら尋ねた。「どうしたんだ?」

先輩はすぐに口を開いた。「あなた、どうしたの?」

「大したことない。」于達は言った。「ネズミに噛まれただけだ。」

先輩は「…………」

彼の性格を知っている先輩は、もう聞くのを諦めた。「早く見てよ!私たちのファイアウォールが攻撃されているの!」

于達は頷き、先輩から視線を移した時、ちょうど薛夕の姿が目に入った。彼は眉をひそめ、冷たい目つきで「なぜここにいる?」

薛夕は??

彼女が何か言う前に、先輩が口を開いた。「一年生の数学科の子よ。手伝いに来てくれたの。どうかしたの?」

于達は袖をまくりながら自分の席に向かい、言った。「彼女とは仇だ。追い出せ。」

薛夕は???

先輩は???

先輩は我慢できずに言った。「彼女は無償で手伝いに来てくれたのよ……」

于達は足を止め、言った。「俺も無償だ。」

先輩は「…………」

前の席の人が振り返って彼を見て、叫んだ。「于達、早く来てくれ!もう限界だ!持ちこたえられない!」

しかし于達はその場に立ち止まったまま、薛夕を睨みつけていた。

先輩は彼の変わった性格を知っていた。結局、于達は能力は超一流だが、気まぐれな性格は学科で有名だった!

もし薛夕を追い出さなければ、于達は本当にそこに立ち尽くして、ファイアウォールが破られるのを見過ごすかもしれない。

先輩は少し困った様子で薛夕を見た。

薛夕は眉を上げ、于達を見て、ゆっくりと言った。「私は、コンピュータが得意だと言ったでしょう。」