第503章 夕さん、すげぇな

向淮は彼女の右手を見続けて言った：「それに、この手は水に触れてはいけない。しばらく学校に来なくていい。外では誰かがちゃんと面倒を見てくれる。毎日寝ているだけで、食事は口を開け、服は手を伸ばすだけでいいんだ！」

そう言って、彼は眉を上げた：「実は服を着る必要もない。面倒を省いて、寝ているだけで食事を待てばいい。」

薛夕：！！

この男は何を考えているの！

彼女は顔を赤らめて：「何を考えているの？私、お風呂に入らないわ！」

「この季節、一日お風呂に入らないと蒸れる、二日入らないと臭くなる、三日入らないとカビが生えるだろう？本当に入らないつもり？実は他人に手伝ってもらっても、何も問題ないよ。見られたことあるんだし。」

「…………」

薛夕の顔はさらに赤くなった：「誰、誰が見たの？」

向淮は彼女の後ろについて笑いながら：「もちろん……」

彼は話を変えて：「……お母さんだよ。きっと丁寧に面倒を見てくれるから、安心して！」

薛夕：！！

彼女は少し呆然として：「ずっとお母さんの話をしていたの？」

向淮：「他に誰だと思ったの？」

薛夕：「…………」

向淮は彼女を見て、はっと気づいた：「僕のことを考えていたの？実は僕でもいいけど……」

薛夕は前に歩き出し、珍しく罵声を吐いた：「うるさい、帰るわ。」

この人は何かを暗示しているのに、認めようとしない。やり返せないわ！

彼女は下を向いて二、三歩歩き、寮の前に来た。他のことを考えていたせいで気づかなかったが、「夕さんが来た！」という驚きの声が聞こえて、やっと顔を上げると、女子寮のこちら側で、みんなが寝ずに外に立って輪を作っているのに気づいた。

彼女が来ると、一人の女子が出てきて、花束とお菓子の袋を恥ずかしそうに持って薛夕の前まで来た。彼女は顔を上げて話し始めた：「夕さん、私は二年生の孫萌萌です。今日は私を救ってくれて、この命は夕さんのものです。これからは、夕さんは私の姉です！これらの食べ物を差し上げます。たくさん血を流したから、栄養補給してください！」

「パチパチパチ……」

周りから拍手が起こり、教務主任も話し始めた：「薛夕さん、今日の行動に対して、学校から義勇賞のメダルを授与します！今日は遅いので、メダルはまだ作れていませんが、後日お渡しします。」