景飛を見かけた顧雲卿は、薛夕が警察署の外でこそこそしていたと中傷しようとしたその時、景飛は彼女を一瞥もせずに薛夕の前に直行し、「夕さん、来てくれたんですね!」と叫んだ。
顧雲卿:?
彼女は瞳孔を縮め、信じられない様子で薛夕を見つめた。
薛夕がどうして景飛を知っているのか!
もしこの特殊部門に加わっていなければ、彼女もこの世界にこのような秘密が存在することを知らなかっただろう。
そして景飛の地位の高さといったら、何か事を行うたびに、皆が彼に道を譲るほどだった。
しかし、そんな凄腕の人物が、薛夕の前でこれほど低姿勢になるなんて……
顧雲卿は顎を引き締め、少し後ろに下がって道を開けると、恭しく「隊長」と呼びかけた。
景飛は適当に手を振り、形だけの挨拶を済ませると、また薛夕に向かって「夕さん、中へご案内します」と言った。