薛夕は突然口を開いた。「誰があなたにサークルの名簿を教えたの?」
薛夕は物事を常に直接的に処理し、考えたことをすぐに口に出す。これに景飛は言葉に詰まり、苦笑いしながら答えた。「夕さん、これは、私たちには情報提供者の身元を守る権利があるんです。でも、あなたが聞くなら、私もその密告者が嫌いなので、ちょっとヒントを出しましょう。その人は顧という姓で...このヒント、分かりますか?」
薛夕:「私は...」
「分かりました」という言葉が完全に出る前に、景飛は彼女が理解していないのを恐れるかのように、再び「ヒント」を出した。「彼女の名前には『雲』の字と『卿』の字があります。」
薛夕:「…………」
これはかなりの「ヒント」だった。
ただ、顧雲卿はどうやって景飛を見つけたのだろう?
彼女が考えている時、隣の方方が突然顔を覆い、泣き出した。「私が悪かったんです!これは全て私の責任です!」
方方が顔を上げた。普段は感情を抑制している人が、今は完全に崩壊していた。彼女は震える唇で話し始めた。「実は最初、于達が出した命令は劉昭を脅かすだけでした。私たち全員の行動も、脅かすことが主な目的でした。当時の計画では、私が姿を消して彼女を屋上に連れて行き、私が劉佳だと告げて彼女を怖がらせ、彼女を突き落とすふりをするだけでした。でも私は彼女が見死に遣りをしたことが許せなくて、勝手に手を離して人を殺してしまったんです...!」
この言葉を聞いて、吳途は悟った。「そうだったのか。私たちのサークルは今まで法律の範囲を超えることはなかったし、ほとんどが制御可能な範囲内だった。捕まっても、そんなに重い刑にはならないはずなのに、今回はなぜ突然殺人を...。方方、お前は、お前は愚かだ!」
吳途は足を踏み鳴らした。
サークルは彼が設立したものだが、実際、彼と大男は華夏大學の人間ではなかった。当時、偽の身分で潜り込んでサークルを設立し、それ以来サークルの事務にはほとんど関与していなかった。
サークルでは于達が依頼を受け、実行していた。
彼と大男はただ黙々とお金を受け取り、ついでに会長が成長して入学してくるのを待っていた。
だから劉昭を懲らしめる件は、会長の恨みを晴らすために于達に伝えただけで、その後の事は管理していなかった。