「証拠があるの?」
顧雲卿の顔色が一瞬で真っ白になった。彼女は唾を飲み込み、鄭直を見つめて言った。「薛夕、あなたはこの数人と深い関係があるわ。この事件から身を引くべきよ!」
薛夕は彼女の方を振り向いた。
その目には透明感と徹夜した疲れが浮かんでいた。目の白い部分には血走りが見え、少女は相変わらずぼんやりとした様子だったが、彼女の言葉は心を揺さぶるものだった。「なぜそんなに興奮しているの?」
顧雲卿は驚いて、「私は、私はただ特殊部門の公平性を保とうとしているだけよ!」
「そう?」
薛夕は反問した。
顧雲卿は言葉に詰まった。「私は、私は...」
彼女が何か説明しようとしたとき、鄭直が割り込んで言った。「ここは君たちが口論する場所ではない!事件について疑問があるなら、景飛に提出すればいい。君は立場が微妙だから、すぐにここを離れなさい!」
しかし薛夕はその場に動かずに立ち、鄭直をじっと見つめながらゆっくりと言った。「規則は死んでいるもの、人間は生きているもの。もし私がここに来なければ、あなたは冤罪を作ることになる。その結果は誰が責任を取るの?」
鄭直は言葉に詰まり、突然立ち上がった。
制服姿の鄭直は、この時、表情を引き締め、四角い顔には正義と厳粛さが満ちていた。まさにこの法廷そのものだった。
彼は薛夕を見つめ、力強く言った。「私は特殊法院を5年1ヶ月3日間管理してきたが、一度も冤罪を出したことはない!」
顧雲卿が同調して言った。「そうよ、薛夕、あなたの今の行為は法院への疑義を示しているわ!鄭院長への疑義を示しているのよ!特殊部門は階級制が厳しいの。P9レベルの人員に疑問を投げかけるなんて、特殊部門の規則に完全に違反しているわ!」
顧雲卿は目を細め、悪意を込めて言った。「特殊部門の第一条規則、上級を尊重せず、上級の意見に疑問を投げかける者は、特別訓練7日間!!薛夕、よく考えてから来なさい!」
特殊部門は完全な軍事化管理だった。
部隊では、命令に従わない場合、結果の是非に関わらず体罰がある。もちろん殴打ではなく、軍隊の姿勢を保つことや、体力の限界に挑戦するような様々な運動だ。