第576話 真相!!!

振り返らなかった?

四文字に、于達は一瞬固まった。彼は急に顔を上げ、信じられない様子で方方を見つめ、そして動画に目を向けた。

その後の方方が振り返る動画は本物だった。あの後ろ姿は、確かに方方に違いなかった。

異能を使うと精神力に大きなダメージを与えるため、方方が振り返った時に姿を隠していなかったことを、于達はその時深く考えなかった。

しかし今、彼は眉をひそめた。

傍らの顧雲卿は既に叫んでいた。「方方、言い逃れしないで!振り返った人は黒いパーカーに白い靴、それにジーンズを履いていて、あなたの体型も服装も全く同じよ。あなたじゃないとしたら、誰なの?!」

そうだ。

引き返してきたこの人物は、慎重にカメラを避け、正面は映っていなかった。パーカーを被った方方の後ろ姿だけが映っていた。

まさにこの後ろ姿が、方方の殺人を裏付けたため、于達は動画を削除し、偽の動画を作成してアップロードした。それは方方の殺人の真相を隠すためだった!

社団は天に代わって道を行うことはできても、むやみに人を殺してはいけない。

方方が人を殺した瞬間、于達はわかっていた。この命は、誰かが償わなければならない。だから彼は苦心して……

しかし、この人物がどうして方方ではないのか?

皆が驚いている時、薛夕は顧雲卿を見つめ、ゆっくりと口を開いた。「あなたはどうして、方方があの日黒いパーカーとジーンズ、白いスニーカーを着ていたことを知っているの?」

顧雲卿は答えた。「彼女が劉昭を脅した時、その服装だったわ。さっきの録画で……」

言葉はそこで途切れた!

顧雲卿は呆然とした。

なぜなら!

方方が劉昭を脅した時、姿を隠していたのだ。そして姿を隠した人物は、赤外線の照射下で形が現れ、誰かはわかるものの、映像に映るのは黒い影だけで、フィルムのネガのように、服の色は分からないはずだった!!

薛夕の声は厳しくなった。「あなたがこれらを知っているのは、この人物が方方ではなく、あなただったからよ!」

顧雲卿は飛び上がりそうになって、「でたらめを言わないで!たかが服装一式で、私を疑うの?!私がこの服装を知っているのは、方方には服が二着しかなくて、一着は黒いパーカー、もう一着は白いパーカーだから!あの日私も、私も彼女を見かけたわ、黒い方を着ていたの!」