華夏大學コンピューター学部。
于達が入り口に着くと、腕を掴まれ、急いでパソコンの場所へ連れて行かれた。3年生の先輩として、于達は学部内で高い地位にあった。
先日、理由も分からず連行されたが、後に人違いだと分かり、関係なしとして解放された。そのため、みんなも特に気にしていなかった。
今、みんなは于達に望みを託していた。
「先輩、このXに見せつけてやりましょう。私たちコンピューター学部がどれだけ凄いか!」
「そうだ、大口を叩くからだ。自分がどれだけ凄いと思ってるんだ?今Xを見るだけで吐き気がする!」
「こういう奴は、存在感を求めているだけだ。人に怒られないと気が済まないんだ。」
「これはもう華夏大學の問題だけじゃない。華夏まで侮辱してるんだ!これは国の名誉の問題だ!」
「その通り!今夜の戦い、絶対に負けられない!」
「必ず勝つぞ!」
「…………」
みんなの様子を見て、于達は心が疲れていた。
相手はハッカーで、于達は以前あるハッカーフォーラムで彼の名を聞いたことがあった。于達は口を開いた:「この人はXじゃない。」
「どうして?」
みんなは疑問に思って于達を見つめた。
于達が何か説明しようとしたが、他の人が口を開いた:「Xかどうかは問題じゃない。名誉の問題だ。先輩、無駄話はやめて、早くパソコンを起動して、戦おう!」
于達:「…………」
これ以上何を言っても無駄だと分かった彼は、パソコンを起動した。その時、突然隣から驚きの声が上がった:「くそっ、このXめ、なんて卑怯な!時間を前倒ししやがった!」
「何だって?急げ!」
「早く、もう持ちこたえられない!ファイアウォールが破られた!」
「くそっ!7時って約束したのに、30分も早めるなんて、こんなのありかよ?卑怯すぎる!」
「心理戦を仕掛けてきたんだ。7時って言って、みんなが7時まで待つと思って、その前に先手を打ってきた!何人かの先輩は今飯を食べに行って、7時に戻ってくる予定だったのに!完全にやられた!」
「もういい、無駄話はやめろ、早く阻止しろ!」
「そうだ!一人で俺たちこれだけの人数に勝てると思ってるのか?行くぞ!」
瞬く間に、パソコン室中にキーボードを叩く音が響き渡り、全員の表情が最初の余裕から徐々に深刻になっていった。