第693章 好奇心

薛夕：「…………」

クロネコさんは彼女の困惑を見抜いたようで、嘲笑って言った：「人間が異能を目覚めたのに、私たち動物が目覚めちゃいけないの？この私も目覚めたのよ！」

世界中で唯一の超能力ネコとして、とても誇らしげだった。

薛夕はゆっくりと尋ねた：「じゃあ、あなたの能力は何？」

クロネコ・プライド・さんは咳払いをして、「私は知恵に目覚めて、人間の言葉を話せるようになったの。それに、人間のような感情も持てるようになったわ！」

薛夕：「…………」

だからその能力って、人間にとって何の役に立つの！

彼女は口角をピクリと動かした。

クロネコさんも自分の自慢が意味のないことに気づいたようで、すぐに不機嫌になった：「あなたって面白くない人ね。私に会えて驚いたり喜んだりしないの？どうして私の能力に興味がなさそうなの？」

薛夕：「…………」

彼女が何か言おうとした時、方怡をオフィスまで送った鄭直が戻ってきた。彼女を見るなり眉をひそめた：「薛夕、ここで何してるの？早くネットワーク部に来なさい！」

鄭直が話し始めた時、クロネコさんは「ニャー」と鳴いて彼の傍らを駆け抜け、威嚇するように彼を引っ掻いて梁の上に飛び乗った。クロネコさんは薛夕に向かって言った：「かわいこちゃん、仕事が終わったらまた遊びに来るわね。」

クロネコさんが遠ざかってから、鄭直は軽蔑的に言い出した：「あの猫は全く役に立たない。毎日ここで人に絡んでばかり、まったく猫の性は変わらないね！まあいいや、薛夕、言っておくけど、Xさんがもうすぐ来るから、あなたが接待担当よ。Xは私たちの部門のp9なの。もし彼を怒らせたら、後果は自分で責任を取ってもらうからね！」

鄭直は今では状況をよく理解していた。今では薛夕を叱ることすらできない。以前は愚かにも突っ走って、ボスにも嫌われてしまった。

確かに薛夕のためを思ってのことだったが、もし変わり者のXさんが薛夕を懲らしめてくれたら、それも彼にとっては小さな溜飲を下げることになるだろう。

XとVS薛夕、どちらが勝つのか？

ふん、楽しみだ！

薛夕：「……ああ。」

自分が自分を担当するなんて、これ以上ないほど適任だろう。結局、自分の考えを自分以上に理解している人はいないのだから。

薛夕はそう考えながら、ネットワーク部に入った。