方怡がそう考えていると、表彰式が始まった。
-
表彰式が始まり、薛夕が座っていると、突然一匹のクロネコさんが椅子の下から飛び出して、彼女の膝の上に乗り、嘲笑うような口調で言った:「バカな女、仲間外れにされたんだね?ハッ〜」
薛夕は不思議そうに:「……そんなことないよ?」
クロネコさん:「ふん、本当にバカなの?それとも知らんぷり?前後左右見てみなよ。誰もいないでしょう?みんな明らかにあなたを避けているのよ」
薛夕は周りを見回して、確かにそうだった:「……」
彼女は黙り込んだ後、クロネコさんが再び嘲笑おうとした時、口を開いた:「結構広々としてていいね」
クロネコさん:「…………」
つまり、彼女は全然気にしていないの?
クロネコさんの口元の毛がピクピクと動いた。「はぁ、後宮に三千人の美女がいるのに、皇帝様はどうしてあなたみたいな変わり者に目をつけたのかしら?」
薛夕:?
「何の皇帝様?何の三千人の美女?」
この話題になると、クロネコさんは急に元気になった:「あら、最近放送している宮廷闘争ドラマよ!すごく面白いの!見たことある?『ニュウルの伝』とか『後宮喜塔臘』とか、すっごく面白いのよ。スマホ出して、教えてあげる。XXアプリを開いて、そう、それ。早く見て、この女の子が宮廷に入るところ!ああ、第一話から始めましょう……」
シタラ・ニュウフル・クロネコさんは宮廷闘争ドラマを見始めると、すっかり……いや、猫が静かになり、大人しく薛夕の膝の上に座って、じっとしていた。
薛夕:「…………」
なるほど、これはドラマ好きな猫だったのか。
でも、なぜか分からないけど、特殊部門でこんなクロネコさんが一緒にいるのは、悪くない感じがする?
そう考えていると、周りから拍手が響いた。彼女が顔を上げると、方怡が表彰台に上がり、メダルを手に取って話し始めた:「私はもっと頑張ります。私たちの国のために、私たちの人民のために!」
「パチパチパチ!」
下からまた拍手が響いた。
薛夕の近くで誰かが小声で話し始めた:「方怡はすごいよな。こんな強い相手も倒しちゃうなんて、はぁ!本当にすごい!表彰式があるのも当然だよ!」