第755章 錢鑫への処罰

「もう火事で亡くなってしまいました。景飛が行って、医者たちの記憶を変え、みんなが最初から病気だったのは傅淳だと思い込むようにしました。傅元修はもう治って、咳も出なくなりましたが、最近まだ顔色が良くないのは、失血が多かったせいです。しっかり養生すれば絶対に大丈夫です。」

「それならいい。」

特殊部門の拘置所の面会室で、錢箏は拘留されている錢鑫と話をしていた。錢箏は唇を引き締めて口を開いた。「お兄ちゃん、許せないのは、方怡が当然の罰を受けていないことよ。」

錢鑫の目が沈んだ。「彼女のやったことは、確かに違法ではない。気に入らないけど、彼女の過ちを指摘することはできない。これは仕方がないことだ。」

錢箏は不公平だと感じた。「でも、あんなに悪いことをしたのに、逃げ出せるなんて。お兄ちゃんは特殊部門にあれだけ貢献したのに、最後にちょっとした過ちで拘留されるなんて。」

錢鑫の目にも失望の色が浮かんだ。「そんなことを言うな。」

錢箏は尋ねた。「お兄ちゃん、本当に終身刑になるの?」

錢鑫は目を伏せ、彼女の手を握った。「心配するな。俺はボスを信じている。」

彼がボスについて行った時、命も財産もすべてボスに預けたようなものだった。ボスが自分を不利な立場に追い込むとは思えなかった。

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その時、特殊部門の監督組会議室では、激しい議論が行われていた。

超能力者の犯罪は超能力者が処罰するが、現職の超能力者が過ちを犯した場合、かばい合いを避けるため、特別に監督部門が設立された。

この監督組のメンバーは三人の中年男性で、彼らは全員普通の人間で、以前は他の部門で権威があり、尊敬される退役警察官と退役軍人だった。

しかし、この三人も同様に融通が利かず、超能力者に対してより厳しい要求をしていた。

今、その中の方明という人物が正論を述べていた。「堂々と刑務所から連続殺人犯を連れ出すなんて、錢鑫は極めて重大な罪を犯した!あの畜生は、すでに何十人も殺している!そんな人物を皆さんも苦労して捕まえたのに、こうして逃がしてしまうなんて、虎を山に帰すようなものだ!厳罰に処さなければならない!」