足音を聞いて、方怡は眉をひそめ、不思議そうに振り返った。
すると、大勢の人々が入ってきて、先頭を歩いていたのは景飛で、その時彼は上機嫌で、目元には喜びが溢れていた。
入ってくるなり、景飛の声が聞こえてきた。「三金、三金よ!いい知らせを持ってきたぞ!……」
そう言いながら曲がり角を回ってきたが、方怡を見るとその場で足を止め、すぐに大げさに胸に手を当てて言った。「おや、怡ねえさんもいたのか。急に見かけてびっくりしたよ。本当に驚いた!」
方怡は眉をひそめ、先ほどの景飛の言った良い知らせを思い出して尋ねた。「どんな知らせ?」
景飛は方怡をちらりと見て、それから錢鑫の方を見てからゆっくりと口を開いた。「ああ、最近給料が払えないでしょう?」
方怡の表情が曇った。
景飛は続けた。「ボスも皆を飢えさせるわけにはいかないから、方明に上層部に資金申請の手助けを頼んだんだ。」