薛夕の体は一瞬で硬直した。
彼女は下を向き、信じられない思いで腰に置かれた手を見つめた。
その大きな手の平は熱く、今まさに彼女の腰を不作法に握り、薛夕は蒸気が立ち昇るような熱さを感じていた。
彼女の頬は一瞬で真っ赤になり、抵抗しようとしたが、足に力が入らず、突然力が抜けてしまった。
そして、その大きな手がセーターをめくり上げ、ゆっくりと上へと這い上がってくるのを感じた……
薛夕は唾を飲み込んだ。
彼女は必死に思い出そうとした。小説の中の細かい描写で、主人公の男性がこうする時、ヒロインはどんな反応をしていたっけ?
確か……
ヒロインはそこに横たわり、色っぽい目つきで「お兄さま、しましょうか?」と尋ねるんだった。
薛夕:「…………」
この言葉はあまりにも恥ずかしすぎる。