第839章 素手で火を消す

これらの言葉は、景飛たちに高彥辰に対してさらに警戒心を抱かせた。

高彥辰は怒鳴った。「黙れ！お前が私の両親を殺したんだ。だから、どうして私がお前と同じ仲間になれるんだ？！」

馬面の黒服は笑った。「そうだ、私がお前の両親を殺した。だがな、お前の両親を殺したからといって、彼らが超能力組織の人間ではなかったと思うのか？教えてやろう、お前は間違っている！」

彼は景飛たちを見て、口を開いた。「当時の費山での山火事がどうやって起きたか知っているか？」

十数年前、費山で原因不明の大火災が発生し、多くの動物が焼死し、その大山は廃墟と化した。

数十年、あるいは百年以上もの間、その山には草一本生えなくなった。

この事件は当時大きな騒動を引き起こし、皆は山火事だと言ったが、特殊部門の人間たちは知っていた。それは超能力組織の人間による破壊工作だったのだ！

景飛は最近、超能力組織と対抗し、彼らの破壊活動を阻止するために、すべての記録を一通り読んでいた。

当時、超能力組織は多くの殺人や強奪を行っており、この事件も重要な記録として残されていた。

景飛は驚いて馬面の黒服を見た。「あなたの言っていることは……」

黒服は笑った。「そうだ、あの火事は彼の母親がやったことだ！」

高彥辰は呆然とし、首を振った。「そんなはずがない！」

黒服は笑いながら言った。「ありえないだって？烈焰の異能は誰でも持てるものじゃない。そして異能は遺伝子を通じて受け継がれるんだ！お前の異能は火炎操作、お前の母親の異能は何だと思う？」

高彥辰は目を見開いた。「でも、もし父と母がお前たちの組織の人間だったなら、なぜお前は彼らを殺したんだ？」

馬面の黒服は笑った。「彼らが大功を立てたからさ。山に火をつけて、当時大騒ぎになった。ハキョウはお前の両親を特別に昇進させようとしていた。だが私は彼らより先に入ったのに、なぜ彼らが昇進するんだ？ハハハ、だから私は彼らを殺す方法を考えたんだ……」

馬面の黒服は続けた。「ああ、そうだ、あの日はお前の誕生日だったな？お前の両親は急いでいた、お前の誕生日を祝うために帰りたがっていたようだ……それで私の罠にはまったんだ！」

高彥辰はその場に立ちすくんだ。

馬面の黒服はさらに写真を取り出した。「見ろ、これが当時、私と親友と親友の妹で撮った写真だ！」