第880章 白ちゃん！！

吳途は怒鳴った：「お前は夕さんを救わないのか？！」

季司霖：「……彼女の異能はすでに奪われた、もはや我々の姫ではない、今の我々の王は、ハゲタカさんだ！」

吳途：「でも彼女は今、殺人容疑者だぞ！お前が彼女を特殊部門に放り出すのは、彼女の生死を気にしないということじゃないのか？！」

季司霖：「……行くぞ。」

向淮でさえ彼女を見捨てるということは、きっと後手を用意しているということだ。

季司霖が去る時、まだ可笑しく思った、最後になって、まさか彼があの宿敵と息を合わせることになるとは。

超能力組織のメンバーたちは、一人一人季司霖に従って去っていった。

その場には、秦爽、岑白、高彥辰、そして封延、于達、方方たちだけが残された。

一瞬にして、裏山全体が水を打ったように静まり返った。

みんな同情の眼差しで薛夕を見ていた。

誰も向帥の薛夕への寵愛が、すべて目的があってのことだとは思わなかった。

「ハ、ハハハ！」方怡が突然大笑いし始めた：「てっきりあなたが何者かだと思っていたけど、ただの道具だったなんて、あなたはもう追われることはないわ、国際超能力者協会は普通の人を殺さないから……ハハハ！」

彼女はさっき異能によって負った傷を治療したばかりで、今は命の危険はない、ただ膝の二発の銃創は異能によるものではなかったため、治っておらず、まだ立ち上がれないが、それでも口を開いた：「景飛、何を待っているの？早く彼女を捕まえなさいよ！彼女こそが鄭直を殺した犯人よ！超能力組織のあの連中がいなくなれば、彼女はどうやって逃げるというの！」

景飛は顎を引き締めた、彼は薛夕を見た。

薛夕は拳を握りしめ、瞳の中の霞は、この瞬間にすべて消え去っていた。

彼女は異能が抜き取られた後の体の弱さと不快感を感じることができたが、それでも毅然として景飛を見つめた：「私は人を殺していない。」

彼女は十分な理性と感情を保ちながら、まず目の前の困難に立ち向かう。

景飛は苦しそうに尋ねた：「夕さん、証拠はありますか？」

薛夕は首を横に振った。