第40章 黒衣さんを倒す

夏天は電気をつけると、すぐに隣の部屋に入り、そこの電気も点けた。部屋の中には何もなかった。

「出てこい。私から招待されるのを待っているのか？」

「お前は一体何者だ？」

カーテンの後ろから黒衣の男が現れた。もう隠れ続ける必要はなかった。発見された以上、猫とネズミのゲームをする必要はなくなったのだ。

「私は夏天だ。」

「夏天？お前が夏天か！」

黒衣の男は夏天を丹念に見回した。

「私を知っているのか？」

「もちろんだ。流沙の中でお前を知らない者はいない。お前は夏天龍の息子だ。」

「父を知っているのか。彼について知っていることを話してくれ。そうすれば命は助けてやる。」

「お前ごときに私を殺せるとでも？」

黒衣の男は夏天を軽蔑的に見て続けた。「流沙にはお前の詳細な情報がある。お利口なお坊ちゃんだ。虎の子は犬にならずと言うが、お前と夏天龍の差は大きすぎる。夏天龍は20歳で既に華夏の半分に名が知れ渡っていたのだ。」