第52章 ダンクシュート【2回目の更新】

「漫雲仙歩」それは夏天龍の成名絕技であり、天下第一の歩法と呼ばれていた。それが仙歩と呼ばれる理由は、この歩法を行う者が仙人が降臨したかのようだからだ。

  今、夏天の歩法はゆっくりとしていたが、その動きは流水のようで、数人に追われているように見えながらも、目の利く者なら彼の余裕が分かるはずだ。

  これまでこの試合にまったく興味を示さなかった雲淼が、目を凝らして夏天を見つめていた。

  外に出てからずっと、通天殘卷の情報は一向に得られなかった。

  以前、通天殘卷が夏天龍の手中にあると聞いたが、夏天龍はすでに死んでいた。ある防衛戦で戦死し、それ以来彼が持っていた殘卷の行方は分からなくなっていた。

  彼女は通天殘卷に関する情報をもう見つけるのは難しいと思っていたが、思いがけなく見かけたバスケットボールの試合で新たな希望を得ることになるとは思わなかった。