第70章 史上最厳しい大学入試[第4章]

今日の夏天は早く起きた。今日は特別な日、大学入試センター試験の日だからだ。

　　長年、彼はこの日を待っていた。父は彼が大学に合格することを望んでいた。これが父の彼に対する最後の要求だった。

　　学校に着いてから試験会場に入ったが、驚いたことに、この会場には彼の受験番号しかなかった。つまり、広い会場に彼一人しか受験生がいないということだ。

　　夏天は知らなかったが、前回の出来事は京都大學の評判に大きなダメージを与え、あのビデオはネット上で大炎上していた。

　　あの三人の教授は帰ってすぐに一時的に職務停止になった。

　　この件について、京都大學は特別に数校の有名大学と連絡を取り、共同でこの試験の調査を行うことにした。

　　七つの名門大学がそれぞれ一人の教授を出し、夏天一人を監督することになった。

　　もし夏天がまた良い成績を取れば、京都大學の三人の教授が確かに学生を不当に扱おうとしていたことが証明され、三人の教授はすぐに職務停止になる。もし夏天が本当にカンニングをしていたのなら、三人の教授は反省文を書くだけで済む。

　　結局、彼らは当時確かに「君たちのクラスから一人も合格者を出さないようにできる」といった類のことを言っていたのだから。

　　試験の時間になり、教室にはやはり夏天一人しか受験生はいなかったが、監督官は七人も来ていた。彼ら七人は夏天を真ん中に囲んでいたが、夏天の邪魔にならないように、ずっと夏天を見つめてはいなかった。

　　「こんな試験も面白いね」夏天は少し笑った。

　　答案用紙を受け取ると、夏天は解答を始めた。予想通り、計算問題でさえも頭の中で完全に計算でき、すべての問題は難なく解けた。

　　夏天は、自分の計算能力はコンピュータに劣らないのではないかという感覚を持った。

　　通常、数学は試験の中で最も難しく、時間いっぱいまで誰も答案を提出しない。

　　あの数人の監督教師は全過程で密かに夏天を見ていた。この部屋は電波を遮断しているだけでなく、他の干渉もあり、彼らは夏天がどんな高科學技術を使っても、彼らの目の前でカンニングすることは不可能だと信じていた。

　　30分後、夏天はすぐに答案を提出した。

　　「解き終わったの？」監督教師は信じられない様子で夏天を見た。