夏天は林冰冰の腕を取って、徐さんが言っていたカジノに向かった。
いわゆるカジノは実際には普通の地下室に過ぎず、入り口には数人が座って雑談していた。
「何の用だ?」夏天が入ろうとするのを見て、一人が立ち上がった。
「徐さんに紹介されてきました」と夏天は言った。
「彼女は誰だ?」その男は夏天の隣にいる林冰冰を見た。
「もちろん、僕の彼女です」夏天は左手を伸ばして、林冰冰を抱き寄せた。林冰冰は抵抗しようとしたが、今日の任務を思い出して諦めた。しかし、それでも夏天の体をきつくつねった。
痛いけど楽しいとはこのことだ、夏天は今まさにそうだった。
この地下室に入ると、倉庫のような場所だった。さらに進むと鉄の扉があり、それを開けると中からの騒がしい声が聞こえ、あたり一面煙で霞んでいた。