「え?」高富帥のインストラクターは一瞬その場で呆然とした。相手が今使ったのはテコンドーではなかったが、タイミングの把握が本当に素晴らしかった。
バン!
竹下一郎が片手を横に切り、直接高富帥の首に当てて、高富帥を地面に倒した。
「ハァハァハァハァ!」高富帥は貪るように空気を吸い込んだ。さっきの一瞬、自分が死にそうだと感じ、呼吸すらできなかった。
「抗議だ、抗議だ、あれは反則だ、テコンドーじゃない。」
「抗議、抗議。」
「あれは明らかに不正だ。」
江海大學側の観客が大声で叫んだ。
「私は不正をしていません。試合開始時に高富帥君の同意を得ました。信じられないなら彼に聞いてみてください。」竹下一郎が大声で言った。
高富帥は立ち上がって言った。「そうだ、私が同意した。」
「それならば、続けましょう。」竹下一郎は高富帥を見ながら言った。