第287章 撃て

「お前たちに警告する。もう一歩でも前に出たら撃つぞ」銃を持った男が夏天たちを怒りの目で見つめた。彼は時間を稼ごうとしていた。今ここにいるのは30人足らずだ。あの二人を戦わせ続ければ、これだけの人数では全く足りない。

「時間稼ぎをして、お前の仲間が来るのを待っているのか？」夏天は相手の心中を見抜いていた。本当に撃つつもりなら、とっくに撃っているはずだ。夏天には明らかに相手が恐れているのが感じられた。

なぜなら、彼の銃を持つ手が微かに震えていたからだ。振幅は小さかったが、夏天にはそれが見えていた。

先ほど女性記者が言っていたように、ここには100人以上いるはずだ。夏天が見積もったところ、その数字よりもさらに多いはずだ。結局のところ、その女性記者は昨日ここに入ってきたのだから。