第303章 ブレイクスルー

夏天のドアが突然ノックされた。彼がドアを見に行く前に、床一面に小さなカードが散らばっているのを見た。

カードには様々な女性の写真が印刷されており、付き添いサービス、その後ろに電話番号が書かれていた。

さらに全国各地の美女、お好みでお選びくださいと書かれていた。

中には百科事典のように、様々なタイプの美女について、数え切れないほどの形容詞で説明が書かれているものもあった。

「まったく、最近のこういう広告も大胆すぎるな」夏天は呆れて首を振った。

夏天は地面から30枚以上のこのような広告カードを拾い上げた。そのときまたノックの音が聞こえ、夏天は自分がドアを開けに来たことを思い出した。この時の夏天はバスタオル一枚で、上半身は裸で、体には6本の大きな傷跡と20箇所以上の小さな傷跡があり、その大半は戦闘で負ったものだった。

夏天がドアを開けると、先ほど従姉妹たちを送り届けてくれたKの女性スタッフがいた。

その女性スタッフは少し驚いた様子で、夏天が風呂上がりであることは一目で分かった。夏天の右手には大量の小さなカードが握られており、彼女はそれらのカードが何のためのものか知っていた。

風呂上がりでこんなカードを持っているのを見て、余計な想像をせずにはいられなかった。

しかし彼女はすぐに夏天の体の傷跡に目を奪われた。

傷跡のある男が最もかっこいいと言うが、今になって傷跡のある男がどれほどかっこいいのか分かった。夏天の体の傷跡は一目で刃物と銃による傷だと分かり、それらの傷跡は一人の男の歴史を物語っていた。「戦士だったんですね?」

「ああ」夏天は頷いた。

「その傷は全部戦闘で負ったんですね」そのKの女性スタッフは夏天の傷跡から目を離せなかった。

「ああ、随分前のことだ」夏天は言った。

そのK女性スタッフは思わず手を伸ばし、夏天の傷跡に触れようとしたが、すぐに何かに気付いたように手を引っ込めた。

「触りたい?」夏天はその女性スタッフを見て尋ねた。

「はい!」K女性スタッフは頷いた。

「いいよ、触って」夏天は頷いた。

夏天の許可を得て、K女性スタッフは手を伸ばし、夏天の傷跡に触れた。彼女は今まで傷跡に触れたことがなく、これが初めて実際に傷跡に触れる経験だった。

「触ってみてどう?」夏天は笑顔でK女性スタッフを見た。