第341章 大ゾンビとの戦い

林冰冰はこの究極のゾンビを見た時、完全に動揺していた。彼女はようやく母親が自分をここに来させたくなかった理由を理解した。ここは彼女が来るべき場所ではなかったのだ。

もし夏天を誘わなかったら、彼女は何度も死んでいただろう。

寶箱さえ見つけられなかったかもしれない。

しかし、今寶箱を見つけ、この密室に入ることができたとしても、目の前のこの大ゾンビは人間の力では到底太刀打ちできないものだった。

夏天が強いことは知っていたが、夏天も所詮は人間に過ぎない。しかしこの大ゾンビは戦車のように止められない存在だった。「夏天、私があなたを巻き込んでしまって申し訳ない」

「感動して身を捧げようとでも言うのかい?」夏天は笑顔で林冰冰を見つめた。

「こんな時でも冗談を言えるなんて」林冰冰は夏天を睨みつけた。「どう考えても私があなたを巻き込んでしまったのよ。ごめんなさい」

「まだ謝るのは早いよ。僕たちが死ぬとは限らないんだから。これを着けて。私が奴を引き付けている間に、棺の中を探って何かないか見てくれ」夏天は林冰冰に手袋を投げ渡した。これは普通のゴム手袋ではなく、外側がゴム、内側が牛革で、尖ったものから手を守るためのものだった。

「私たちにまだチャンスはあるの?」林冰冰は夏天に尋ねた。

「試してみなければわからないだろう。くれぐれも注意して探るんだ。尖ったものに触れないように気をつけて。もし毒があったら大変だからね」夏天は再度注意を促した。彼は林冰冰の身の安全を心配していた。

林冰冰は心が温かくなるのを感じた。こんな状況でも、夏天は彼女のことを一番に考えてくれている。

もし父親のせいで男性を憎んでいなかったら、そして夏天があまり浮気性でなければ、彼女は夏天に恋心を抱いていたかもしれない。

「うん」林冰冰は頷いた。恋人にはなれなくても、夏天を最高の友人として見ていた。

ぷっ!

公孫止の頭も大ゾンビによってもぎ取られた。大ゾンビは頭を上げて夏天を見た。目はないものの、確かに夏天を見つめているようだった。

「でかいやつ、かかってこいよ」夏天は挑発するように言った。相手が理解できるかどうかはわからなかったが。

大ゾンビは直接夏天に掴みかかってきた。先ほど他の者たちにしたように、夏天の頭をもぎ取ろうとしていた。