第347章 終盤戦開始

羽鶴の行動を見て、兵おじさんは今生で羽鶴を敵に回さないと誓った。羽鶴が江海に戻って来た初日で、すでに夏天の勢力に天地を覆すような変化をもたらしていた。

第一戦では、夏天の建設会社で千万以上の損失を出し、第二戦では、夏天のレストラン、KTVとホテルが全て閉鎖され、第三戦では、火おじいさんが直接刑務所に入れられ、第四戦では、曾柔の化粧品店の仕入れが全て返品された。

どの戦いも見事で、どの戦いも羽鶴の目的を達成していた。

彼は実質的な成果のない無駄な戦いを好まなかった。戦って戦って最後は誰も得をしないような戦いは嫌いで、相手に直接的なダメージを与える方法を最も好んだ。

夏天に実質的な損害を与えること。

金と勢力、あの連中の勢力が完全に崩壊した後、羽鶴はすでに心理的に夏天を混乱させていた。

人は一度あらゆる面で打ち破られ、完璧に崩壊すると、心理的に弱い立場になる。弱い立場になった人間は必ず負ける。

これこそが羽鶴の目的だった。

「あなたは本当に恐ろしい人だ」兵おじさんは常に羽鶴の側にいて、全てを目の当たりにしていた。

「まだ始まったばかりだよ。こんなに簡単に彼を打ち破れたら、つまらないじゃないか」羽鶴は手にした羽扇をゆっくりと揺らしながら言った。彼は全てを計画済みだった。彼がやろうとしているのは四面楚歌ではなく、十面埋伏だった。

「どうやらその夏天は悲惨だな。私が出る幕もないようだ」兵おじさんは淡々と言った。

「兵おじさん、私は気になるんだけど、あなたは本当に地級の達人に勝てるの?」羽鶴は興味深そうに兵おじさんを見て尋ねた。

「わからないな。力だけなら問題ないが、地級の達人だって馬鹿じゃない。私と力比べをするような、私のことをよく知っている地級の達人なら、私に勝ち目はない。でも私のことを知らない地級の達人なら、一戦を交えることはできる」兵おじさんは説明した。

「素晴らしい」羽鶴は親指を立てて言った。

夏天は初日から授業をサボったが、指導員は何も言わず、彼のために席を空けておいた。

クラスの女子学生たちは非常に不思議に思っていた。サボっているのは男子学生で、しかもクラスで唯一の男子学生だと聞いていた。数十人の女子学生に囲まれるなんて、なんて幸せなことだろう。

なのにその男子学生は授業をサボっている。