第348章 また女殺し屋

動いた、夏の全勢力が全て動き出した。彼らは本格的な反撃を開始したのだ。

曾柔が情報を送り出した直後、夏氏グループは大量の資金を得た。曾柔は夏天の指示通り、最初にした事は巨大なショッピングモールを買収し、改装を始めることだった。

改装中、外には既に看板が立てられていた。江海市唯一の曾氏化粧品専門店だ。

そして外には大きな写真が貼られていた。それは芸能人の写真だった。

江海市で誰もが知っている女優、楊子琪だ。

夏天はこれを良い機会だと考えた。奴らが曾氏グループの化粧品を返品してきたのなら、曾氏グループは直販を始め、自社の店舗を設立し、ブランドを拡大し、広告を大々的に打つのだ。

これからは曾氏グループは個人向けの化粧品会社ではなくなる。曾氏グループは夏氏グループの子会社だが、独自のブランド性も持っている。

夏天がやろうとしているのは代理店制度だ。

広告を大きくすれば、代理店は自然と現れる。そして化粧品ブランドを全国展開し、各省に総代理店を置き、総代理店がさらに下部代理店を探す。

年間の売上ノルマなどを設定する。

これが曾氏グループの転換だ。

そうなれば江海市の返品した大型店舗は後悔することになるだろう。彼らの曾氏グループからの仕入れ方式は利益分配制で、これは実質的にコストゼロの利益だったのだ。

しかし今後、江海市には一つの総代理店しか置かれず、総代理店の仕入れは二割、その下の代理店は五割、最終顾客への販売は定価となる。

彼らは自分たちの利益を手放してしまったのだ。

女優の楊子琪は夏天からの電話を受けると、全ての予定をキャンセルして江海市に向かった。夏天は彼女の命の恩人で、夏天が助けを求めるなら断る理由はなかった。

「羽鶴、何か様子がおかしいと感じるんだが」スイートルームで兵おじさんは眉をひそめて言った。

「兵おじさん、あなたのような一本気な人でさえおかしいと気付いたなら、それは間違いなくおかしいということですね。四面楚歌を解消しようとしているようですから、いっそ十面埋伏を始めましょうか」羽鶴は手の中の羽扇をゆっくりと振りながら言った。夏天はまだ彼の四面楚歌を完全には破っていないが、彼は待っているだけではない。