夏天が指導を続けると言った時、冰心の顔は首元まで真っ赤になった。さらに夏天は広い部屋を取ると言い出した。
「早すぎないかしら?」冰心は恥ずかしそうに言った。
「早くない。君の修行の進みが早いから、内なる力をコントロールする術を必ず身につけてもらわないと。だから指導を続けなければ」夏天は冰心に自分の力を制御させ、むやみに使わないようにしたかった。また、冰心の今の体の状態も確認したかった。
「わかったわ」冰心は唇を噛みながら、妄想が止まらなかった。
夏天が部屋を取って指導を続けると言った時、彼女の頭は完全にショートしていた。
「こんなに早く進展するなんて、私まだ初めてなのに、しかも指導を続けるって...続けるって!!さっきなんで断らなかったんだろう、すぐに承諾しちゃって、軽い女だと思われないかしら。でも本当に彼のことが好きだから、全てを捧げたい」冰心は心の中で葛藤し続け、頭の中はそればかり考えていた。
内なる力の制御について夏天が話していたことさえ聞き逃していた。
「大変、大変、帰ったら清雪に怒られちゃう。さっき断るべきだったわ」冰心の頭の中では先ほどのことが繰り返し思い返されていた。
恋する女性の知能指数はゼロになるというが、まさにその通りだ。
もし彼女の知能指数がゼロでないなら、それは本当の愛ではないということだ。
今の冰心の知能指数はゼロどころか、マイナスになりそうだった。
「どんな部屋がいい?」夏天は冰心に尋ねた。どちらにしても今や半分金持ちなのだから、以前のように一番安い部屋を探す必要はない。好きな部屋を選べる。
「ベッドが柔らかい方がいいわ。痛いのが怖いから」冰心は取り留めもなく答えた。
「えっ!」夏天は少し戸惑った。ベッドの硬さと痛みは何の関係があるのか分からなかったが、深く考えなかった。「テーマのある部屋にしようか。そういうホテルは雰囲気がいいって聞いたけど」
「テーマ部屋...まさか彼、特別な衣装を着せたり、鞭を使ったりするの好きな人なの?」冰心の頭の中は完全に混乱していた。考えれば考えるほど混乱した。
「運転できないのが残念だな。車があれば便利なのに」夏天は感慨深げに言った。運転免許を取ろうと決意した。