第319章 入学の日

「要らないわ!」部屋の中の冰心は玄関の女性の声を聞いて怒って叫んだ。

「あら、彼女は気が短いのね。今度何かあったら連絡してね」その女性は去り際に夏天に媚びを送った。

夏天がドアを閉めると、ちょうどその時、冰心の携帯が鳴った。

「清雪、帰るわ」

「待っててね、彼に送ってもらう必要はないから」

冰心は電話を切り、夏天は全く訳が分からず、なぜ冰心が帰ろうとしているのか理解できなかった。

「向こうを向いて、服を着るから」冰心は呆然と立っている夏天に注意した。

「ああ」夏天は仕方なく背を向けた。

「銀針を抜いてよ、帰るから」冰心は顔の銀針を感じることはできなかったが、見ることはできた。今から帰るのに、顔に銀針を刺したまま帰るわけにはいかない。

「まだ深い指導ができていないのに」夏天は気まずそうに言った。