第382話 謎の大物

目の前の光景に、その場にいた全員が唖然とし、走っていた冰川も足を止めた。

彼の前は屠殺場で、至る所に死体が散乱していた。

見慣れた人影がそこに立っていた。全身血まみれの姿、それは夏天だった。彼がそこに立っているのを見て、全員が驚愕した。一人であれほどの島國の忍者と戦い、しかも相手が最も得意とする煙幕の中で戦って勝利を収めたのだ。

百人の特別中忍、八人の上忍、四人の特別上忍、そして二人の超上忍。

これは島國の精鋭部隊だったのだ。

しかし今、この精鋭部隊は全滅していた。

「八つのDR10は俺の手にある。死にたい奴がいるなら、かかってこい」夏天は顔を歪めながら、目の前の達人たちと國際傭兵たちを見つめ、悪魔のような声で言った。

現場は異常な静けさに包まれ、誰一人として口を開く者はいなかった。