第381話 煙が晴れる

背中の火辣辣とした痛みを感じながら、夏天は手の金刀の速度を更に上げた。足下の漫雲仙歩も完全に展開し、素早く人々の間を駆け抜けた。相手が攻撃を止められず、味方を攻撃してしまうことを期待してのことだった。

しかし、彼の計画は失敗した。相手は見えないはずなのに、何らかの方法で敵味方を区別していた。そのため、味方を斬りそうになるたびに、素早く攻撃を収めることができた。

「くそっ、一体どんな方法を使っているんだ?」夏天は金刀で相手の命を刈り取り続けたが、上忍以上のレベルの達人は一人も倒せなかった。

彼らの反応と速度は特別中忍たちよりもずっと速かった。

「こんなに大勢を相手にするのは本当に面倒だな」夏天の体力は急速に消耗していった。

「風だ!風で煙を吹き飛ばせ!」冰川が突然叫んだ。

「そうだ」市長は焦れば焦るほど混乱し、このことを忘れていた。すぐに送風機を用意するよう人を派遣した。

しかし、時間がかかる。

「踏ん張れ、夏天、絶対に踏ん張るんだ!」冰川は外で焦るしかなかった。今自分が中に入っても何の役にも立たず、むしろ夏天の足手まといになることを知っていた。

だから送風機が来るまで待つしかなかった。

ぷっ!

夏天はまた一刀を受けた。先ほどの超上忍からだった。普段は動かないが、一度動けば必ず夏天にダメージを与えることができた。

「くそっ、お前から先に片付けてやる」夏天は直接その超上忍に向かって突進した。

その超上忍の前まで突っ込んだ時、前方に十二人の上忍が現れた。八人の普通の上忍と四人の特別上忍で、彼らは一緒に夏天の進路を遮った。

「くそっ!」夏天が後退しようとした瞬間、背後から再び攻撃を受けた。

バン!

鉄棒だった。その鉄棒が背中の刀傷に容赦なく打ち込まれた。

「くそったれ」夏天は怒りの叫びを上げた。背中が花が咲いたような痛みを感じた。

手の金刀で大きな風車のような回転を見せた。

ぷっぷっぷっぷっ!

また何個もの首が高く舞い上がった。

「夏天!」冰川が焦りながら叫んだ。

先ほど外にいた人々は皆、夏天の心を引き裂くような叫び声を聞いていた。

「送風機はどこだ、急げ!」市長も焦りまくっていた。

「あの金刀夏天はもう駄目なのか?中で酷い目に遭っているんだろうな」