その巨大な鉄棒は中身が詰まっていたが、この男は片手で持ち上げ、しかも非常に安定していた。これだけでも彼の腕力がいかに強いかが分かる。
「お前は必ず負ける」德川二郎は冷たく夏天を見つめて言った。
「その火かき棒で私を指し続けるなら、試合に出られなくなることを保証するよ」夏天は德川二郎を見つめ、獣のような気配が德川二郎の全身を包み込んだ。
殺気!
德川二郎は背中から冷や汗が流れ、思わず三歩後退してようやく止まった。
今の殺気は本物だった。これほどの重い殺気は、一体何人もの人を殺さなければ身につかないものだ。
「よくやった」
德川二郎が夏天に怯えるのを見て、料理人たちは叫んだ。
「あの人、彼に怯えているみたい」上半身の女王様は德川二郎の変化に気づいた。夏天の殺気は德川二郎だけに向けられていたため、他の人々は何の不快感も感じず、何が起きたのかも分からなかった。