第404章 龍爪手

翌日の早朝、夏天は飛行機に乗った。古麗靜は見送りに来なかった。おそらく別れの気持ちを味わいたくなかったのだろう。しかし、市長は来てくれた。

「お前さん、こんなに急いで帰るのか。次に香港市に来たら必ず連絡してくれよ」市長は夏天の肩を叩いた。夏天は彼の大きな助けとなり、失われた玉璽も見つけ出したのだ。

「兄貴、何か手伝えることがあったら連絡してください」夏天も丁寧に返した。

「よし、そう決まりだな」市長は即座に承諾した。まさにこの言葉を待っていたのだ。

「あの、ただの社交辞令ですよ」夏天は困惑して言った。

「何だって?今の聞こえなかったな。電波が悪いのかもしれない。お前が約束を重んじる義理堅い男だということは分かっている。今の言葉は覚えておくぞ。何かあったら必ず連絡する。遠慮なんかしないからな」市長は真剣な表情で夏天を見つめながら言った。