葉清雪の叫び声とともに、夏天は急いで冰心の頭を抱き寄せ、自分の体で冰心を守った。これは本能的な行動だったが、その時、花瓶が自分に当たっていないことに気づいた。振り返った瞬間、信じられない光景を目にした。
冰心も振り返り、同じく信じられない光景を目にした。
花瓶は葉清雪の手の中にあり、葉清雪の体が宙に浮いていた。
葉清雪自身も自分の変化に気づいていた。
「私、飛んでいるの?」葉清雪は夏天に向かって尋ねた。
「うん」夏天と冰心は同時に頷いた。
その通り、葉清雪は飛んでいた。宙に浮かぶ葉清雪を見て、夏天は確信した。これは間違いなく超大型の変異だ。しかも最高レベルの変異だ。なぜなら、彼の知る限り、白羽でさえ飛ぶことはできないし、まして宙に浮かぶことなどできないからだ。
これはもはや武術の浮遊ではなく、むしろ異能、特殊な異能のようだった。
「いとこ、まず降りてきて」夏天は葉清雪に言った。
「はい」葉清雪の体はゆっくりと地面に降りた。
「どうやって降りる制御をしたの?」夏天は直接尋ねた。
「降りようと思うだけで降りられて、飛ぼうと思うだけで飛べるの」葉清雪が言い終わると、また宙に浮かび上がった。
「いとこ、高所恐怖症じゃない?」夏天は尋ねた。
「ないわ」葉清雪は答えた。
「それは良かった」夏天は安堵して言った。葉清雪が高所恐怖症で、飛び上がった後に怖くなって落ちてきたら大変だと心配していたのだ。
夏天は葉清雪が思考で制御していると聞いて、自分と同じだと推測した。自分の透視眼のように、異能の一種で、精神力を消耗するのだろう。
「いとこ、もし私の推測が正しければ、あなたの飛行は精神力で制御しているんだ。長時間制御すると、めまいや吐き気が出るはずだよ。後で精神力が上がれば、もっと長く飛べるようになるはずだ」夏天の精神力は既に明らかに向上していた。
彼は練器をしている時に精神力の上昇が最も速いことに気づいていた。
あの日練器を終えた後、彼は自分の精神力が大幅に向上していることに気づいた。
おそらく練器に関係があるか、あの石に関係があるのだろう。練器の時に大量の精神力を消耗し、その後石が精神力を補充する。このような繰り返しが精神力の鍛錬になっているのかもしれない。
「じゃあ、まずこの状態をどれくらい維持できるか試してみるわ」葉清雪は提案した。