葉清雪の叫び声とともに、夏天は急いで冰心の頭を抱き寄せ、自分の体で冰心を守った。これは本能的な行動だったが、その時、花瓶が自分に当たっていないことに気づいた。振り返った瞬間、信じられない光景を目にした。
冰心も振り返り、同じく信じられない光景を目にした。
花瓶は葉清雪の手の中にあり、葉清雪の体が宙に浮いていた。
葉清雪自身も自分の変化に気づいていた。
「私、飛んでいるの?」葉清雪は夏天に向かって尋ねた。
「うん」夏天と冰心は同時に頷いた。
その通り、葉清雪は飛んでいた。宙に浮かぶ葉清雪を見て、夏天は確信した。これは間違いなく超大型の変異だ。しかも最高レベルの変異だ。なぜなら、彼の知る限り、白羽でさえ飛ぶことはできないし、まして宙に浮かぶことなどできないからだ。
これはもはや武術の浮遊ではなく、むしろ異能、特殊な異能のようだった。