第421話 1組を飼いならす

傷跡について、さっきまで下にいた人たちは自分の傷跡を自慢していた。まるで傷跡があってこそ男らしいと言わんばかりだった。

しかし、夏天の体の傷跡を見たとき、彼らは驚きのあまり言葉を失った。

説得力のある言葉とは何か?

同じ言葉でも、話す人が違えば効果も違う。馬雲と馬さんに同じ起業の話をさせたら、みんなはどちらの話を聞きたがるだろうか?

もし以前の夏天の言葉を全く聞いていなかったとしても、これからは夏天の一言一句を聞き逃すまいとするだろう。

「彼の体にこんなにも多くの傷跡が...きっと何か物語のある人なのね」美脚の美人学科主任は心の中でつぶやいた。夏天というこの大学入試のトップ合格者は、授業をサボるため、彼女の目には常に問題児に映っていた。

「先生、その傷跡はどうやってできたんですか?」ある女子学生が興味深そうに尋ねた。彼女はもう敬語で話すようになっていた。

夏天は右手を伸ばして、一番近くの机を引き寄せ、その上に腰掛けた。「男の最大の責務とは何か?家と国を守ることだ。調べたところ、私の体には銃弾の跡が32箇所、刀傷が18箇所ある。そのうち3箇所は背中全体を切り裂かれ、3箇所は肩がほとんど切断されそうになり、4箇所は心臓まであと数センチというところだった。」

今度は下の聴衆全員が真剣に耳を傾けていた。

「私も君たちと同じさ。遊ぶのも好きだし、はしゃぐのも好きだし、街で美人を見るのも好きだ。でも国が呼べば、いつでも戦場に赴く覚悟はある」夏天は淡々と語った。

「先生、軍隊にいらしたんですね」また別の女子学生が尋ねた。今や男子学生たちは夏天の傷跡を見て言葉を失っていた。

「そうだ」夏天は頷いた。「軍隊経験は自慢するためのものじゃない。むしろ責任だと思う。だからといって、軍人経験者が皆聖人というわけでもない。それも違う。私も人を殴ったことがあるし、いじめたこともある。もっとも、いじめた相手は懲らしめが必要な奴らだったがな。」

「先生、当時の彼女はなぜ先生を捨てたんですか?」さっきは誰も気にしなかった話題が、今になって蒸し返された。

「他に理由があるかい?貧乏だったからさ」夏天は軽く笑った。

はは!

夏天の説明を聞いて、下の人々も少し笑ったが、すぐに止めた。夏天の話を遮りたくなかったのだ。