夏天の声を聞いて、趙龍は即座に動いた。彼は夏天の視線に沿って、そこへ直接突っ込んでいった。
バン!
二人は直接打ち合った。
「バカ、下段を狙え」夏天は趙龍が相手と打ち合うのを見て、すぐに叫んだ。
夏天の助言を聞いて、趙龍は相手の下段を直接攻撃した。趙龍の身のこなしは悪くなかった。ただ名のある師匠の指導を受けていなかっただけで、そうでなければ優れた腕前だった。
趙龍は相手の下段を攻め続け、十合の後、相手を取り押さえた。
「奴は必ずカメラを持っているはずだ。探し出せ」夏天はこの男が盗撮していたことを知っていた。蔣天舒は現場の状況を見たがっていたのだ。夏天が火を避けられるという事実は誰にも知られてはならない。先ほどの趙龍たちでさえ気付いていなかった。
特に蔣天舒には。
「見つけました」趙龍はその男のポケットからカメラを取り出した。
「こっちへ連れて来い」夏天は淡々と言った。
趙龍はその男を連れて来た。
「私に手を出すことはできないぞ。私は蔣少爺の部下だ」その男は夏天を知らなかったので、夏天の前で蔣少爺の名を出す勇気があった。
「お前の言う蔣少爺が、私が必ず殺す相手だということを知らないのか?」夏天は銀針を一本、彼の頭に刺した。
「殺したの?」趙佳佳は不思議そうに夏天を見た。
「いや、ただ彼の記憶の一部を消しただけだ」夏天はそれほど血なまぐさくはなかった。むやみに人を殺すようなことはしない。ただこの男に情報を漏らされたくなかっただけだ。
「天さん、これはどうしましょう?」趙龍は手に持っているカメラについて尋ねた。
「とりあえず持っておけ。後で燃やす」夏天は適当に捨てたり壊したりするわけにはいかなかった。今の科學技術は発達しているので、他の方法でデータを復元される可能性があった。
三人はすぐにタクシーに乗り込んだ。タクシーに乗ってから、彼らは夏天の家に向かった。ここから夏天の家までは近くなく、夏天の家は江海市の北側にあったので、彼らはかなり長い時間乗車した。
車の中で、夏天は体中の具合が悪かった。
「私の肩で少し休んでください」趙佳佳は夏天の体調の悪さに気付き、急いで言った。
夏天も遠慮せずに、直接趙佳佳の肩に寄りかかって眠りについた。