夏天の視線は二人の竜組の人間を捉えた。しかし、その二人の竜組の人間の標的は夏天たちではなく、前方に隠れている川市特別行動部の人間たちだった。彼らは自分たちがうまく隠れていると思っていた。
彼らは背後にすでに二名の竜組の人間が現れていることを知らず、しかもその二名の竜組の人間の標的もまさに川市特別行動部の人間たちだった。
「教官、何を見ているんですか?」大牛さんが不思議そうに尋ねた。
「もうすぐ面白いものが見られるよ」夏天は淡々と言った。
大牛さんは見回してみたが、何も見えなかったので、手にしたウサギの肉を食べ続けた。
林冰冰の視線も一周りしたが同じく何も発見できず、夏天が謎めいた態度を取るのを見て、彼女もただ待つしかなかった。
外で試合を観戦している人々はすべてはっきりと見ていた。その二人の竜組の人間が川市特別行動部の人々に向かって移動していくのを。しかし川市特別行動部の人々はまだその二人の竜組の人間に気づいていなかった。
「くそっ、振り向けよ、何をしているんだ」川市特別行動部の部長が怒って言った。
しかし彼がどう言っても、中にいる人間には聞こえるはずもなく、彼はただ竜組の人間たちが川市特別行動部の隊員たちのそばに来るのを見るしかなかった。
バン!バン!バン!
一連の打撃音が聞こえ、焼き肉を食べていた三人は顔を上げた。
林冰冰と大牛さんはようやく夏天が先ほど言った意味を理解した。夏天はすでにあの一団を発見していたのだ。
「行こう、見物に行こう」夏天は立ち上がって言った。
二人は夏天の後に続いた。
この時、川市特別行動部のところでは戦いが非常に激しくなっていた。彼らの実力も悪くはなかったが、ただ二人の竜組の達人に不意を突かれただけだった。
「川市特別行動部、一名脱落、残り六名」
「川市特別行動部、一名脱落、残り五名」
「川市特別行動部、一名脱落、残り四名」
一連の放送が流れてきた。川市特別行動部の人々はまだ必死に戦っていた。ここから川市特別行動部と雲市特別行動処の差が見て取れた。
川市特別行動部は今完全に命がけの態度だった。明らかに不利な状況でも、彼らはなお命がけで戦っていた。