手榴弾が空中を飛んでいた。
空一面に飛び交う手榴弾を見て、夏天は顎が地面に落ちそうになった。彼らは一度に百個以上もの手榴弾を投げたのだ。
「逃げろ!」
夏天は大声で叫び、三人は全力で走り出した。
Lグループの人たちも即座に振り返って逃げ出した。
冗談じゃない、どんなに武芸が高くても包丁は怖いものだ。ましてや手榴弾、それも百個以上の手榴弾となれば尚更だ。これらの手榴弾は演習用で威力は小さいが、百個以上が同時に爆発すれば、その威力は小さくはない。
「慌てるな、ゆっくり走れ。手榴弾をもう少し飛ばせておけ」Y市特別小隊の総師範が冷静に言った。
この時、外で試合を観戦していた人々は同時に「うわっ!」と叫んだ。
彼らは百個以上の手榴弾が夏天たちに向かって飛んでいくのを見ていた。現在、Y市特別小隊の人々は夏天たちから20メートルも離れていない。この距離なら女性でも投げることができる。
今、彼らはようやくY市特別小隊の隊長がなぜずっと自信満々な様子だったのかを理解した。
「私の部下たちは入場後、すべての武器を手榴弾に交換した。一人当たり40個の手榴弾を持って入ったんだ。今は6人しか残っていないが、彼らはまだ240個の手榴弾を持っている。彼ら自身の実力も加えれば、Lグループの人間でも耐えられないだろう」Y市特別小隊の隊長は冷静に言った。
彼の部下たちは特に素早く手榴弾を投げる技術を習得しており、一人で同時に8個の手榴弾を投げることができる。
ドーン!ドーン!ドーン!
連続した爆発音が響いた。
「江海市特別小隊、一名脱落。残り二名」
アナウンスが流れ、夏天が振り返ると大牛さんだった。大牛さんは先ほど空一面の手榴弾を見て逃げ出したが、後で計算してみると、手榴弾から逃げ切れないと判断し、直接彼らに向かって一発撃った。
しかし、彼の一発は誰にも当たらなかった。
「おい、そんなやり方は道徳に反するぞ」夏天は大声で叫んだ。
「安心しろ、残りの手榴弾はすべてLグループのために取っておいたんだ」Y市特別小隊の総師範が言った。
「おいおい、バカだな。Lグループの連中はもうお前らの後ろに回り込んでるぞ。もう投げないと、彼らがやってくるぞ」夏天は指で彼らの背後を指さした。
「くそっ!お前、まさか奴らに知らせてるのか」Y市特別小隊の人々の背後から声が聞こえた。