ドアが開くと、方平は誰かを殴りたい衝動に駆られた。
イケメン!
ドアの外には大きなイケメンが立っていた。色白のきれいな男じゃなく、陽気で元気なタイプのイケメンだった。
「同級生、こんにちは。僕は向かいの部屋の傅昌鼎だよ。邪魔じゃなかった?」
傅昌鼎は元気いっぱいに話し、顔には常に輝く笑顔を浮かべていた。
真っ白な歯、方平は彼が歯磨き粉の広告に出るべきだと思った。
相手を一瞥すると、方平はまず顔を見て、それから少し眉をひそめて言った。「15号室の?」
「そう、僕も今来たばかりなんだ。ところで、君の名前は?」傅昌鼎は相変わらず笑顔を絶やさなかった。
「方平だ」
方平は自己紹介をし、そして入り口を開けて言った。「入って話そう」
「じゃあ、お邪魔します」
傅昌鼎は礼儀正しく、笑いながら丁寧に一言言ってから、部屋に足を踏み入れた。
部屋は同じだから、特に見るものはなかった。
方平が座るよう勧めると、傅昌鼎は笑って言った。「方平、君はどこの出身?口調を聞くと、南江あたりかな?」
「うん、南江陽城出身だ。君は?」
「僕は京都の人間だよ」
方平が尋ねる前に、傅昌鼎は自ら言った。「京都武大は家から近すぎるから、魔都武大に来たんだ」
そう言いながら、傅昌鼎はまた笑って言った。「南江陽城か、一度聞いたことがあるような…」
「そうだ、君は王…王金洋、確かそんな名前だったと思うけど、知ってる?」
方平は少し驚いた。王さんの名声はそんなに大きいのか?
王さんはたった今三品を突破したばかりだ。魔都や京都では、三級武道家はたくさんいるはずだろう?
南江はそれほど発展していない省だ。王さんにそんな大きな名声があるのはなぜだろう?
少し考えてから、方平は頷いて言った。「知ってるよ。彼は高校の先輩で、1学年上だ」
「本当に知ってるんだ。まあ、陽城は小さいから、君たちが知り合いなのも当然か」
天才は天才を知っている、これは当然のことだった。
方平は少し考えてから尋ねた。「君も王金洋を知ってるの?」
「人から聞いたことがある」