『金剛拳』は中級戰法であるが、現代の武道家が創り出した戰法ではない。
これは古い拳法で、伝説によると千年前の仏門宗派から伝わり、当時の一人の仏陀が創り出したものだという。
もちろん、伝説は伝説であり、仏陀という言葉は現代では、多くの人にとって宗師境に達した強者を指すと考えられている。
『金剛拳』は身・口・意の一致を重視し、道門の言葉で言えば、精氣神の一致とも理解できる。
これは多くの三級上位武者が学ぶ中級戰法で、三級頂點の突破に大きな助けとなる。
「怒目金剛、仏にも怒りあり……」
方平は資料を見ながら、『金剛拳』は剛猛さを説いていると思った。真の剛猛さ、拳法全体が凶暴で決断力があり、拳は金剛のごとく、勢いは破竹の如しだった。
方平はしばらく見た後、『金剛拳』と『爆血狂刀』を比較してみた。
威力の強さは個人の発揮次第だが、『爆血狂刀』は純粋な剛猛路線とは言えず、技巧が多く、連続斬撃による爆発的な力の蓄積も習得が難しい技だった。
一方、『金剛拳』は習得すべき技が少なく、より多くは一種の勢いだった。
「無敵の勢い、どんなに強くとも、私は一拳で打ち破る!」
方平は呟きながら、突然立ち上がって立ち姿勢をとり、顔をゆがめて怒鳴りながら、一拳を繰り出した!
「轟!」
空気が裂けるような音が響き、部屋全体がわずかに揺れたように感じた。
しかし方平は少し首を振った。「まだ拳力一體ができていない。できていれば、威力はこんなに小さくないはずだ。」
もちろん、まだ戦法の重要ポイントを理解していないこととも関係している。
初めての修練なので、当然欠点が多い。
「先生がいないなら、後で李じいさんに聞いてみよう。」
……
あっという間に夜が明けた。
時間は正式に7月に入った。
他の学生は通常通り授業を受け、通常通り休暇に入り、7月1日になると、多くの人がすでに荷物をまとめて帰省の準備をしていた。
気づかないうちに、方平の大学1年生活が正式に一区切りついた。
朝、方平は充電が完了した携帯電話の電源を入れると、電源を入れた瞬間、メッセージの着信音が鳴り続けた。
多くの人からのメッセージで、その中でも妹の方圓からのものが最も多かった。