第293章 魔武の風紀が悪い

同じ時間。

  陽城。

  陽城第一中學、体育館二階。

   方圓は全身がかゆくなり、落ち着かない様子で体をよじった。

  兄貴の武術修行の姿を楽しんでいた数人の女子生徒たちが、突然叫び声を上げた。

  「圓圓姉さん、体から血が出てる!」

  「顔中血だらけよ!」

  「服にもついてる!」

  「うぅ、圓圓姉さん、どうしたの?」

  「……」

  数人の女子生徒たちは慌てふためいて、状況を確認しようと前に出ようとしたが、近づいたところで方圓が無意識に押し返したため、近づいてきた一人の女子生徒が数メートル後ろに飛ばされた。

  方圓は呆然としていた。力を入れていないのに、こんなに遠くまで飛ばされるなんて、これは兄貴が言っていた当たり屋じゃないの?

  多くを問う暇もなく、飛ばされた友達が無事なのを確認し、みんなの悲鳴を聞いて、方圓も思わず自分の頬に触れてみた。手を見ると、手一面に汚れた血がついていた。

  方圓は武術修行を始めて1年になるが、日頃からこういうことには慣れていて、体表から汚れた血が出るのも初めてではなかった。

  しかし、顔中血だらけというのは、本当に初めてだった!

  次の瞬間、方圓は何かを思い出したように、体の内部からしびれるような感覚を感じ取った。

  「私は……骨強化してるの?」

   武士の兄がいる方平は、家に帰る回数は多くないものの、武道修行については、注意すべきことはすべて教えてくれていた。

  非武道家の段階での初めての骨強化の状況についても、方圓は方平から何度も聞かされていた。

  「私、一度に骨強化しちゃった!」

  方圓は喜びのあまり泣きそうだった!

  彼女はもう兄に打ちのめされて自信を失いかけていたのだ。2008年6月、方平は彼女に立ち姿勢を教え始めた。

  その時の方平は、まだ武士ではなかった。

  しかし、今や方平は四級境界に入っているのに、彼女は初めての骨強化にさえ達していなかった。最近は気分が落ち込んで、小金庫の札を数える気分にもなれなかった。

  思いがけず、今日何気なく基本を練習していたら、骨強化が始まったなんて!

  「圓圓姉さん!」

  「部長、大丈夫?」

  「……」