方平と秦鳳青の二人は走り出してすぐに、大変なことになったと気付いた!
大殿の主が追いかけてきたわけではなく、古代オオカミ獣の群れだった!
「まずい!」
秦鳳青は顔色を変え、方平も同様だった。
なぜこれらの妖獸に追われることになったのか、二人とも分かっていた。彼らが持っているものが多すぎ、エネルギーが豊富すぎたのだ。
今、妖獸たちの目には、二人は小さなエネルギー鉱山のように映っているのだ。
彼らを追わずして誰を追うというのか?
「どうする?」
方平が尋ねると、秦鳳青は少し考えて言った。「まず、荷物の一部を捨てて……」
「無理だ!」
秦鳳青は同意して頷いた。そうだ、それは無理だ。
「次に、別々に逃げよう。二人一緒だとエネルギー源が濃すぎる!」
「誰が回り道をする?」
別々に逃げるなら、どちらかが回り道をしなければならない。そうなると、リスクは大きくなる。
「お前だ!」
秦鳳青はすぐに言った。「お前は俺より気血が強いから、長く走れる。信じているぞ!」
「ふざけるな!」
方平がそんなことをするわけがない。馬鹿じゃないのか、迷子になったらどうするんだ。
「じゃあ、どうする?」
「一緒に走って、誰が不運で遅れるかだ。」
秦鳳青は罵倒しそうになった。ここから希望城まではまだ三四百里もある。彼の気血はまだ完全に回復していないし、一気に走り切れるはずがない。
方平はそうとは限らない。
その時、彼が遅れたら……
後ろの四五級の古代オオカミ獣が百頭以上いて、さらに六品の首領らしきものまで見えたことを考えると、秦鳳青は足を速め、急いで言った。「方平、置いていかないでくれ。一緒に行こう。無理なら少しの間背負ってくれ。」
「いい度胸だ!」
方平も今では息を切らしていた。一晩中血を流し、右腕の傷もまだ治っていない。多くの武士を倒し、気血は問題ないものの、体力は少し落ちていた。
しかも数百斤の重さを背負っているので、疲れるのも当然だった。
秦鳳青は歯を食いしばり、すぐに言った。「本は全部お前にやる。要らないから、どうだ?」
「要らない!」
方平は急いで断った。本は重すぎる。秦鳳青は大量に持っていて、今では以前より走るのが遅くなっていた。
「じゃあ捨てるぞ!」
「勝手にしろ。」