狡王の森の外。
秦鳳青は本当にもう持ちこたえられなくなっていた。数百里を疾走し、無数の中級妖獣に追われ続け、こんな日々は余りにも悲惨だった。
「方...方平、お前と任務をすると...ろくなことがない」
この時の方平も、顔色が青ざめており、しかもどんどん青ざめていく!
「もっと悲惨なことになるぞ!」
方平は泣きそうな顔で、悲観的に絶望して言った。「何も感じないのか?」
「何を?」
「妖獣が止まったんだぞ!」
方平は怒鳴った。くそ、お前本当に賢いな!
気づいていないのか?
俺たちは終わりだ!
いや、お前は終わりだ!
方平は決心した。秦鳳青は狡の朝食用だ...いや、後ろにはまだたくさんの妖獣がいる。今回は狡に大量の朝食を届けたことになる。
秦鳳青の運が良ければ、自分のように狡の料理人になれるかもしれない。
秦鳳青は脳が酸欠になりそうなほど走り続け、まだ状況を把握できていなかった。振り返って見ると、むしろ喜色満面で言った。「追ってこない!」
方平の顔色は見るに堪えないほど青ざめ、必死に逃げながら低い声で叫んだ。「バカ、狡が出てきたんだ!」
「うわっ!」
秦鳳青は瞬時に目が覚めた!
上級生物だ!
そうだ、でなければこれらの中級生物が立ち止まるはずがない。
「ガオォォ!」
巨大な咆哮が響き渡り、方平の顔色は完全に青ざめ、秦鳳青も顔が強張った。
「俺は災いの星に出会っちまった!」
方平こそが最大の災いの星だ!
自分が地下洞窟に入るのは自分の裏庭に入るようなもので、前回王金洋と一緒に入った時も、重傷を負ったのは王金洋で、自分は大したことなかった。
でも今は?
今度こそ本当に終わりだ!
「方...方平...まだ逃げるのか?」
二人はすでに極めて強大な気配を感じ取っていた。後ろの妖獣たちは次々と地面に押し付けられていた。
何頭かの中級妖獣は逃げようとしたが、肉塊に押しつぶされてしまった。
方平と秦鳳青は精神力に押さえつけられることはなかったが、それでも無形の圧力を感じていた。
逃げるべきか?
今逃げたら、狡の怒りを買うのではないか?
夜の闇の中、狡がゆっくりとこちらに歩いてきた。金色の外殻は暗闇の中でも金色に輝いていた。
秦鳳青の足は硬直して力が抜けかけていた。虛空からの注視と圧力を感じたからだ。